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フリーランスなどの個人事業主の方でも法人の場合でも、事業を行なっていくためには、経理処理は避けては通れません。

しかし、事業の規模や仕事の形態に応じて実行可能なルールを作ってしまえば、決して大変な作業ではありません。

ここでは、基本的な管理項目と管理方法のいくつかを例示しています。ご自分の業務にあった方法を組み合わせて運用方法を選択してください。
 ▼現金の管理:事業と個人の区分けと領収書のない支出の管理が大切です!

金銭出納帳は、現金の入金と出金、及び現金残高を記録する帳簿です。
現金の管理は、最も大切な経理処理です。簡単なようで、一週間、一ヶ月、と処理がたまっていくと、何に使ったか訳がわからなくなるのが現金管理です。
すると、手許には一切お金が残っていないのに、帳簿上は数十万円も残高がある!なんて事になってしまいます。

<現金の管理が大切な理由>
・事業のお金と個人のお金の区別を明確にする。
・実際の現金残と帳簿の残高を一致させる事で、帳簿記録のモレをチェックする。

<現金管理のポイント>
・なるべく現金の出入りを少なくする。複数の支払や仮払金は、明細書を作成し一定間隔で精算する(記録のない経費は支払わない)。
・日々の諸経費は、小口現金管理(インプレストシステム)を行なう。
・現金で支払う場合でも、支払額のちょうどの金額を引き出して、預金通帳に記録が残るようにします。

■手書の出納帳


■Excelの集計表

出納帳は、表計算にとって一番得意な分野です。
しかし、過去データの修正や月々のリスト印刷の記録など運用面での工夫が必要です。


■かんたんパソコン事務

従来の会計ソフトとは違い、請求処理、支払処理など実際の経理事務の合理化を目指したユニークなソフトです。
詳細は、『おすすめ会計ソフト』を参照してください。

入金データ登録パネル

出金データ登録パネル


■弥生会計
一般的な、金銭出納帳のフォームに入力していくPCソフトです。
パターン化した取引をバインダ、パレットに登録して簡単に入力ができます。


■clearworks(かんたん日報)
経費精算などパターン化された取引の共通の登録機能の他に、営業担当や社長など個人別(ID)にパターンを登録できるので、自分だけの簡単入力システムが出来ます。
また、登録された精算内容について承認されたものだけが、会計に連動されますので稟議の業務フローが構築できます。




 ▼預金の管理:通帳記帳とメモの記録でOK!

■通帳は必ず記帳し、振込先等の具体的な内容をメモします。
記帳について内容がわかりにくい取引は
> 個人への振込 : 何のための振込みかを明記する(個人商店への決済)
> クレジット会社からの引落し : 何の引き落としか明記する
> CD機からの引出 : 目的は、現金管理との関連

■インターネットのWEBバンキング・サービスを利用する。
今や、窓口で振込むのが一番手数料が高いし、CD機も並ぶ事が多いのではないでしょうか?
三井住友銀行などは、法人でもWEBサービスを利用する事が出来ます。残高確認、振込、振込予約、取引照会なども、インターネットで楽々です。




 ▼経費精算のルール作り:現金を使わないと簡単です!

・小口現金によるインプレスト・システム
・社員各自の経費精算を月にまとめる
・1万円以上の支出には稟議と仮払
・現金を使わない!

勘定科目を整理して、支出の内容に応じた勘定科目を決めてしまいましょう。
出張旅費や立替払いの精算書類を作成し、稟議のフローを決めましょう。

経費精算の例(Excelのテンプレート) 旅費精算の例(FileMakerのテンプレート)


 ▼領収書整理のルール:ファイリングのルールが決まれば簡単!

ファイリングは下記のような方法が一般的です。自分のやり易い方法でかまわないのですが、いずれにしても、綴じこむ事が大切です。

 【綴じこみ式】領収書を日付順に綴じていきます。

 ある程度、領収書の量が増えてきたら、この方法が一番簡単で確実です。


 【貼り付け式】領収書を日付順に貼り付けていきます。

 確定申告などの資料整理を行なうにはこの方法がいいでしょう。


 【目的別】目的別にファイリングします。

 会計システムなどへの入力や、支払管理、資金繰りなどを行なうのに便利な方法です。
 領収書などを内容・目的別に区分してファイリングします。
 1.口座から引落される経費等の計算書や請求書
    ex. 電話料金、ガス・水道・電気、クレジットカードの明細、家賃など
 2.月末の支払予定の請求書
    ex.  様々な請求の振込用紙、外注などからの請求書
 3.現金出納帳のリスト印刷とその領収書
 4.旅費精算書・経費立替金の精算書とその領収書(月末の給与で精算)
 5.源泉、住民税、社会保険などの公課


口座引き落としの明細

請求書(月末支払の一覧)
経費精算書と領収書



 ▼得意先の管理:ちゃんと請求、しっかり回収!

得意先へ確実に請求するのは当たり前ですが、その回収と現在の未回収残高がどうなっているかの管理は案外ずさんになりがちです。
売上の金額だけをたよりにしていると、回収モレや資金繰りの悪化による倒産なんて事にもなりかねません。

■会計ソフトによる売掛金管理
弥生会計の売掛帳
一般的に、会計ソフトでは売掛金の補助勘定に得意先名を登録して、それぞれの得意先別に売掛の発生(売上)と回収(決済)を入力して個別の残高と全体の合計を管理します。


■販売ソフトによる得意先管理
clearworks の販売管理
販売ソフトでは得意先マスターを登録して、それぞれの得意先への見積・受注・請求・回収といった全体の流れを管理します。




 ▼支払先の管理:WEBでの振込は簡単!

毎月の支払手続きも件数が多くなってくると、資金繰りを含めて大切な作業となります。

■経理ソフトによる支払管理
かんたんパソコン事務による支払管理

■会計ソフトの買掛金管理
弥生会計の買掛帳
一般的に、会計ソフトでは買掛金の補助勘定に仕入先、外注先を登録して、それぞれの買掛の発生(仕入・外注)と支払(決済)を入力して個別の残高と全体の合計を管理します。

■仕入ソフトによる仕入先管理
clearworks の仕入先管理
仕入管理ソフトでは仕入先マスターを登録して、それぞれの仕入先への発注・仕入・支払といった全体の流れを管理します。




 ▼次のステップ

事業の規模が大きくなるにつれて、事業を継続・成長させるための経営資料として次のような管理項目が必要となってきます。

1.資金繰り管理 : 入金、出金の期日を管理することから始めます。
  手形管理
  借入金管理

2.固定資産管理
  固定資産管理(有形固定資産、無形固定資産)
  リース資産管理

3.経営管理
  予算・実績管理

4.人事管理
  社会保険事務

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