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青色申告や法人税の申告をするためには、まず事業の決算書を作成しなくてはいけません。決算書を作成する為の手段が複式簿記です。しかし、この複式簿記の基本ルールは単純です。複雑な決算書も、単純な作業の繰り返しの結果出来上ってしまう成果物です。
確かに、簿記は奥が深く難しい問題も多々ありますが、その原因は簿記自体の問題ではなく、税法関連の処理であったり、商法が関係するためなのです。
実際に、実務上で使う仕訳は決して難しくありません。まず、簿記の全体構造を理解してから、個別の勘定科目について、Flashムービーによって説明します。
 ▼勘定科目

会計とは、個人や法人が行なった、経済取引を記録する方法です。
まず、その取引の内容を表すのに、『売上』とか『デザイン材料費』、『外注費』、『給与』、『交通費』という名称を用いています。これを勘定科目と呼びます。
勘定科目には、大きく分けて5つのカテゴリ(いまふうで言えばプロパティ?、属性)があります。

   資産  負債  資本  収益  費用

それぞれのカテゴリの中に、複数の勘定科目が存在します。この勘定科目は、絶対的なものではなく、各自にあったものを作成してOKです。なまじ、勘定科目にこだわって、自分の取引を既存の勘定科目に当てはめようとして難しく感じてしまうのかもしれません。

5つのカテゴリは、左のように組み合わされています。
それぞれのカテゴリの大きさは今は気にしないでください。 (これは、理想的な形を表示しています。 ) 大切なのは、左右の金額の合計は同じということ : バランスが取れているといいます!

複式簿記において、左側を『借方』(カリカタ)、右側を『貸方』(カシカタ)と呼びますが、
これは単なる名称であって、勘定科目の性格、属性には全く関係ありません。
この呼び方が、複式簿記の理解を妨げている側面もありますので、本講座では
借方・貸方を、左側・右側と呼ぶ事にします。



 ▼例えば、商品を売って現金が入金された場合は・・・

全ての経済活動は、左右の勘定科目の組み合わせで表現できます。
2つの勘定科目の組み合わせであらわすことから、複式簿記と呼ばれます。


収益の増加(売上10,000円)と
資産の増加(現金10,000円)が
発生しました。

この、勘定科目の組み合わせを『仕訳』と呼びます。

この場合は  現金 10,000  /  売上 10,000



 ▼勘定科目の種類

資産の部 : 現金や預金、売上の未回収部分である売掛金、車など、会社の有形・無形の財産
現金、普通預金、受取手形、 売掛金、 商品、 建物
   
負債の部 : 借入金、仕入の未払部分である買掛金、将来の費用を前もって計上した引当金
支払手形、 買掛金、 借入金、 預り金
   
資本の部 : 会社を始める時の資本金、過去の利益である剰余金
資本金、 利益準備金、 資本準備金、 前期繰越損益
   
収益の部 : 売上や、土地を売って得た利益、財テク(死語ですね!)など営業以外の収益
売上、輸出売上、 売上1、 売上2
  複数の事業を行っている場合など、勘定科目を分けてもかまいません。
   
費用の部 : 仕入や外注費、人件費、会社の一般経費
仕入、 外注費、 給与、 賞与、 水道光熱費、 福利厚生費、
接待交際費 、消耗品費、 事務用品費 、通信費、 リース料
   
  システム管理費などのように、独自の勘定科目を作成してもかまいません。



 ▼簿記のルール

<ルール1>
全ての取引を2つ以上の勘定科目の組み合わせで表す。
左右の勘定科目の金額の合計は同じ

 
_ _貸方と借方という呼び方に意味はありません!_ _
 
パターン 借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
ex1 商品を納品した(売上)。入金は翌月の末日である。
  売掛金 100,000 売上 100,000
   
____金額が同じ___
         
ex2 得意先から売掛金が入金された。
振込料は差し引かれていた。(こちらが負担する契約)
  普通預金 99,580 売掛金 100,000
  支払手数料 420    
    100,000   100,000


<ルール2>
金額は全てプラスの金額で、増減は右と左の使い分け
勘定科目が属するカテゴリが左(貸方)なら、左が増加、右が減少

資産の部、費用の部に属する勘定科目は、増加する場合は仕訳の左側、減少する場合は右側です。
負債の部、資本の部、収益の部に属する勘定科目は、増加する場合は仕訳の右側、減少する場合は左側です。

<ex 現金>

売掛金を現金で回収
した(増加は左)
現金 10 / 売掛金 10

交通費を現金で支払
った(減少は右)
交通費 10 / 現金 10
<ex 借入金>

新規の借入をして預金口座に
振込まれた(増加は右)
普通預金 10 / 借入金 10

今月分の返済をした
(減少は左)
借入金 10 / 普通預金 10



 ▼仕訳のパターンは、3通り

【同じブロック】

現金を預金に預け入れたという取引は、現金が減って、預金が増えたということです。
それを仕訳で表すと、

預金 100,000 / 現金 100,000

【同列の違うブロック】

現金で外注費を支払ったという取引は、現金が減って、外注費が増えたということです。
それを仕訳で表すと、

外注費 100,000 / 現金 100,000

【違う列のブロック】

成果物を納品し、代金を現金で受け取ったという取引は、売上が計上されて、現金が増えたということです。
それを仕訳で表すと、

現金 100,000 / 売上 100,000




 ▼B/S(貸借対照表)とP/L(損益計算書)は勝手に出来るもの

全ての経理情報を、2つの勘定科目の組み合せで表現していくと、自動的に作成されるのが貸借対照表と損益計算書です。

確定申告とか決算書を見ると、非常にたくさんの数字が並んでいて頭が痛くなります。確定申告を前に1年間の仕事のやり取りを集計しなくてはいけないかと考えると気が遠くなりますね。
でも、決算書はいきなり数字を並べて作るものではありません。本当に単純なルールで出来ています。一定の作業を続けていくと、出来上がってしまうものなのです。

このブロックの内容を次のように表示するのが、決算書です。

■貸借対照表は、ブロックの配置とおりの表示が一般的です。(勘定式)
  財政状況を明らかにしてくれます。
(注) 『貸借対照表』は、英文ではBalance Sheet と表記され、一般的にB/S(ビーエス)と呼ばれます。
 >>決算書:貸借対照表  

■損益計算書は、売上と仕入、一般的な経費、営業に関係ない収益と支払などの
  取引の内容に応じて表示するのが一般的です。(報告式)
  一年間の損益を明らかにしてくれます。
(注) 『損益計算書』は、英文ではPlofit and Loss statement と表記され、一般的にP/L(ピーエル)と呼ばれます。
  >>決算書:損益計算書  



 ▼Flash ムービーによる具体例

ここまでの説明で、複式簿記とは単純な構造だという事が分かっていただけたでしょうか?
次のセミナーでは、Flash ムービーによって、実際の取引がどのような仕訳になり、勘定科目ブロックがどのように変化していくかを見ていきます。

1.会社経理の流れ
まず、会社を設立してから、一般的な取引をして行く過程を見てみましょう。それぞれの仕訳については、次の『仕訳のポイント』、『B/S P/L のポイント』で説明しますので、全体の流れを追っていきます。
>> 会社経理の流れFlash ムービーページへ

2.仕訳のポイント
会計を実際の経営に利用するために、経済取引を『お金が動く取引』、『お金が動かない取引』、『お金の動きがあっても、裏に隠れている取引』という分類で見ていきます。
>> 仕訳のポイントFlash ムービーページへ

3.B/S P/L のポイント
複式簿記とは、単純なしくみの仕訳を積み重ねていって、1年間の経営状況を表示する、『貸借対照表』と『損益計算書』を作成する手順です。
1年間の取引の記録がされた『貸借対照表』と『損益計算書』が、次の新しい1年へと連続していく動きを見ていきます。
(注) 『貸借対照表』は、英文ではBalance Sheet と表記され、一般的にB/S(ビーエス)と呼ばれます。
  『損益計算書』は、英文ではPlofit and Loss statement と表記され、一般的にP/L(ピーエル)と呼ばれます。
>> B/S P/L のポイントFlash ムービーページへ

4.よくある勘違い
お金の動きと損益は違います。ありがちな勘違いがなぜ起きてしまうかを、今まで見てきた勘定科目ボックスを使って説明します。
>> よくある勘違いFlash ムービーページへ



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